■コメントを書く
名前


メール


本文

アウトライダー(完) / 清水武志 - 2008-07-18 16:34:27
 
タンクを取りに秘密基地へ行って無事回収して積み込んだ途端突然の夕立!!

「これが山の天気なのだ」と思った瞬間それまでのヘビへの緊張は解かれました。

雨宿りに基地の建物の中へ入ると去年の引っ越しで置く所が無くてここに運び込まれた数々の段ボールの中に昔購読していたアウトライダー誌がどっさり.....。

その中に思い出の88年7月号が有りました。

今から20年前、バイク仲間三人で小豆島へツーリングに行った事が有りました。

偶然にもその時発売されてた『アウトライダー』誌の特集が『瀬戸へ』というタイトルで瀬戸内海の島々や沿岸を旅する物でした。その中に小豆島も載ってたのでガイド代わりに持参したのですがその号がこの88年7月号だったのです。

記事では「僕たちが岬の文教場(壷井栄先生の小説『二十四の瞳』のモデルに成った小学校)に着くと一人の老婆が話しかけて来た。子供の頃この文教場で学んだ老婆によるとここに観光客が来るのが信じられないのだという」といった様な事がお婆ちゃんの写真入りで書かれていました。

ところが実際に僕らが文教場を訪ねた時もこのお婆ちゃんバイクの僕たちを見つけると記事と同じ事を話しかけて来られたのです!!

やはり「自分が出た学校に皆がバス連ねて来るのはおかしい、皆だまされてるのでは思うと申し訳なくて」とおっしゃるのです。

無理も有りません、この土地で生まれてこの分教場卒業して島に暮らすお婆ちゃんにとってはここはただの旧い小学校、その一方で観光客の皆さんは皆それぞれに小説や映画の世界を胸にこの分教場を訪れるのですから。

楽しく談笑しているうち時間はどんどん流れた気がします。昔、娘時代大阪に奉公に出てた事など沢山いろんな話をしてくださいました。

別れ際、お婆ちゃんの写ってる『アウトライダー』誌の記事を見せたところ「まあ恥ずかしいよお」と顔を赤らめて笑ってらっしゃった事を思い出します。そして、記念にとおばあちゃんにその『アウトライダー88年7月号』を差し上げ僕たちは分教場を後にしました。

走りながらバックミラーで確認すると『アウトライダー』を翳して丁寧にそしていつまでも僕らを見送ってくださってるお婆ちゃんの姿が確認できました。

あれから20年、おばあちゃんはどうされてるのでしょうか? 秘密基地で『アウトライダー』の入ったダンボール発見した時真っ先にその事を考えました。

その時持ってた『アウトライダー88年7月号』はお婆ちゃんにあげてしまったので基地で見た『アウトライダー88年7月号』はその旅から帰ってすぐ「思い出に」と本屋さんでバックナンバー注文して手に入れたものでこのバックナンバー注文した事も今は思い出。

この号を含む『アウトライダー』誌のかたまりを自宅に持ち帰ろかどうしようかと考えたのですが、奇麗な旅の思い出は暫くは分教場の様に静かに時間の止まったこの秘密基地という空間に委ね置く事にしました。

旅、一期一会、乗り物はバイクから2CVに換わったけどこれからも大切にして行くのです。





- コメント -
  • RI - 「 ヘビも雨宿りに入って来るかもよ。  ウチにライダーズクラブってバイク雑誌がそこそこ有るんやけど要らない? 確かサイクルサウンドってのも有ると思う。」-2008-07-20 00:10:20
  • し - 「RIさん>有り難う、でも置く所ないので今回は諦めておきます。ヘビは雨宿りよりジメジメが好きみたいやね。夕立来た時タンク回収作業してたらヘビ来たかもと思うと怖いですわ。」-2008-07-22 12:16:56